ビジネスにおける人権の取組み エグゼクティブの観点

この報告書では、インタビューを通じて得られた先進企業の学習体験や知見とともに、KPMGのビジネス・人権のスペシャリストの見解を紹介します。

この報告書では、インタビューを通じて得られた先進企業の学習体験や知見とともに、KPMGのビジネス・人権のスペシャリストの見解を紹介します。

この報告書では、インタビューをつうじて得られた先進企業の学習体験や知見とともに、KPMGのビジネス・人権のスペシャリストの見解を紹介します。

この報告書は、人権課題の実務を監督する立場にある上級管理職、取締役を主な対象として、人権課題に対応するための全社的なアプローチの構築の支援に役立てていただくことをねらいとしていますが、その要点を以下に記します。

 

※本報告書の全文については、以下のPDFをご参照ください。
ビジネスにおける人権の取組み エグゼクティブの観点(PDF:3,296kb)

インタビューをつうじて発見された重要な事項

活動のドライバーについて~人権に関して企業が行う活動の背景にある、重要な4つのドライバー

  • 人権に関する規制や国際的なガイドラインと基準を遵守するべきだという圧力
  • 企業の評判と重要な関係を守る必要性
  • 投資家や融資者による調査の増加
  • 企業の活動をその目的、文化、価値と整合させる必要性


人権リスクマネジメントについて

  • 人権リスクの性質と所在はセクターにより大きく異なる
  • 伝統的な企業リスクマネジメントのプロセスを「国連ビジネスと人権に関する指導原則」の期待に見合うものにすることは困難な場合がある
  • 人権リスクを全社的リスクマネジメント(ERM)に統合するのが困難な場合があり、継続的な企業内教育が必要とされる
  • 人権リスクの潜在的な財務影響を企業が算定することは将来あるかもしれないが、現在のところは一般的でない


人権ガバナンスについて

  • 人権ガバナンスに対して標準的なアプローチはない
  • 社内での人権活動のガバナンスは時間とともに進化し、継続的に発展する
  • 監督部署の多くは法務、リスク、コンプライアンスのチームだが、実践は多くの場合サステナビリティ、広報あるいは人事といった部署によってなされる
  • 人権活動の最終的な責任者は、CEOか取締役会あるいは取締役会長の直下のエグゼクティブでなければならない
    • 専門家を責任者とする調達チームが、人権課題と調達プロセスの両方の知識を活用して、多くの企業で役割を拡大しつつある


企業の人権パフォーマンスの報告について

  • 現在の彼らの人権関連活動の報告は、大部分が定性的なものであり、定量情報は限定的である
  • 報告は企業が直接コントロールする業務内の事象に焦点をあてる傾向がある
  • 企業は自社の人権活動の結果に関する報告を改善させたいと考えるが、そのためのツールも枠組みも方法論も確立されていない
  • 多くの企業は自社の人権プログラムを国連の持続可能な開発目標(SDGs)に整合させるよう努力している

重要な課題

インタビューをつうじて特定された、人権に取り組むうえで組織が直面する7つの重要な課題:

課題1 サプライチェーンの視認性の欠如
規模の大きい多国籍組織では、サプライチェーンのうち直接の第1次仕入先より先までは目が届きにくい

課題2 市場参入
予測不能な人権課題が新興市場ではよくある

課題3 成長リスク
ビジネスパートナーや買収対象企業の最新人権リスクを特定するのは困難な場合がある

課題4 言語の障壁
人権問題の専門家にはよく知られた用語がその他の人々にはあまり知られていない

課題5 文化の障壁
国によっては企業の価値観と社会の文化的価値観が対立する

課題6 経験の不足
人権問題の対処には自信がない企業がある

課題7 統合
多国籍にわたる商業活動に人権問題に対する配慮を持たせるのは場合によっては困難である

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