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デジタル時代のコンシューマービジネスとは - その戦略とオペレーションのあり方

デジタル時代のコンシューマービジネスとは - その戦略とオペレーションのあり方

日々進化するデジタル時代を迎え、リアルとバーチャルの境界はますます曖昧なものとなり、人が介在することなく双方の空間を往き来することがまさに現実のものとなってきています。なかでもIoT(Internet of Things, モノのインターネット)は私たちの仕事や働き方ばかりでなく、暮らし方・暮しそのものまで大きく変えてしまう可能性があるとされています。

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今後数年間で、わたしたちを取り巻く環境が様変わりする可能性がある今日、事業のあり方や企業の戦い方も好むと好まざるとにかかわらず、時代にあわせて変化させていくことが不可避な状況にあるといえます。なかでも消費者と直接向き合うコンシューマービジネスは、その中心にあるといえるでしょう。暮しが変わり、消費者自身が変わる・進化していく状況下では、コンシューマービジネスも対応を余儀なくされるからです。

本稿ではこのようなコンシューマービジネス領域に焦点を絞り、企業はデジタルの時代にどう向き合っていくべきかを述べてみたいと思います。

なお、本稿が対象とするデジタルビジネスは現在進行形であり、秘密保持等の観点から、特定の企業名や取組みについては、一部公開されている情報を除き具体的な言及を避け、ファンダメンタルな部分を中心に概念化して記述しました。

また、本稿の内容は執筆時(2016年3月)における状況に基づいています。

ポイント

  • デジタル化の波は止められるものではなく、今や誰もが避けることのできない大きな潮流になっています。したがって企業にとってデジタル化は、時代の要請と受けとめ、向き合うことが前提となります。マネジメントはまず、自社のビジネスにデジタルをどう取り込むかということに、積極的に向き合うことが必要です。さらに、ビジネスのデジタル化には現場主導でできることもありますが、まずはトップ自らが宣言することが重要であり、これなくして大きな成果を得ることは難しいといえます。なぜなら、デジタル化は企業の活動全般から実施の優先順位や予算感を判断しなければならず、トップはその責任を負う立場にあるからです。
  • 熾烈なグローバル競争と急速に進化するテクノロジー、加えて先進のデジタルツールを駆使する消費者の情報収集力および発信力が注目されるデジタル時代の戦略は、まず第一に、スピード感が求められます。これまでのじっくり構えて熟考するような戦略、競合他社に追いつき追い越せというような発想は捨て去り、刻々と変化する市場や消費者を、徹底的且つ迅速に読み解く姿勢を持つことが重要です。
  • デジタル時代の市場を主導するのが消費者であるならば、企業のオペレーションは徹頭徹尾、顧客特性で考えなければなりません。また、デジタル時代の消費者が、リアルとネットを自由に往き来できることを考えれば、コンシューマービジネス企業においては、リアルもネットも、共にシームレスな顧客体験が実現されるオペレーションになっていなければなりません。そのためには、顧客から見える部分も、顧客から見えない社内オペレーションも、機能を見直し、統合したプロセス・組織に再構築する必要があります。

内容

  1. デジタルビジネスの時代
    1. ビジネスのデジタル化とは
    2. デジタル化にどう向き合うか
    3. 成功の要点
  2. デジタル時代の戦略
    1. 何が変わるのか
    2. 何を変えるべきか
    3. 何を目指すのか
  3. デジタル時代のオペレーション
    1. 顧客特性で考える
    2. シームレスな顧客体験を実現するために機能を再編する
    3. 顧客と共に創りあげる
  4. おわりに

執筆者

KPMGコンサルティング株式会社
ディレクター 平井 泰世