過大支払利子税制(Japanese Earnings Stripping Rules)

過大支払利子税制(Japanese Earnings Stripping Rules)

過大支払利子税制とは、所得に比して過大な利子を支払うことを通じた租税回避を防止するため、支払利子等の額のうち所得金額(調整所得金額)の一定割合を超える部分の金額を損金の額に算入しないこととする制度をいう。

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法人が支払う利子の損金算入を制限する規定としては他に、資本に比して負債が過大である場合に適用される過少資本税制が設けられているが、本制度と過少資本税制の双方の損金不算入額がある場合には、いずれか多い金額が損金不算入とされる。ただし、本制度の損金不算入額の方が多い場合であっても、下記2.の適用除外基準を満たし、本制度が適用されないときは、過少資本税制が適用される。

なお、2015年10月に公表されたOECDの税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクトの最終報告書を踏まえ、2019年度税制改正において過大支払利子税制の見直しが行われた。改正後の過大支払利子税制は、2020年4月1日以後開始事業年度から適用されている。

1. 損金不算入額

損金不算入額=対象純支払利子等の額(A)- 調整所得金額(B)× 20%

(A)対象純支払利子等の額

対象純支払利子等の額=対象支払利子等の額の合計額-控除対象受取利子等合計額

・ 対象支払利子等の額とは、支払利子等の額のうち、対象外支払利子等の額以外の金額をいう。なお、対象外支払利子等の額とは、以下の金額をいう。

1)  支払利子等を受ける者の法人税又は所得税の課税対象所得に含まれる支払利子等の額

2)  一定の公共法人に対する支払利子等の額

3)  特定債券利子等(法人が発行した債券に係る支払利子等で非関連者に対するもの)の債券の銘柄ごとに以下のいずれかの金額

a)  以下の合計額

・ その支払又は交付の際、所得税の徴収が行われ、又はその特定債券利子等を受ける者の法人税又は所得税の課税対象所得に含まれる特定債券利子等の額

・ 一定の公共法人に対する特定債券利子等の額

b)  以下の債券の区分に応じ、以下の金額

・ 国内で発行された債券 特定債券利子等の額の合計額の95%に相当する金額

・ 国外で発行された債券 特定債券利子等の額の合計額の25%に相当する金額

4)  生命保険会社及び損害保険会社の締結した保険契約に係る支払利子等の額うち以下の金額

a)  生命保険会社の締結した保険契約に基づいて責任準備金として積み立てられたもののうち保険料積立金に係る支払利子等の額として計算された一定の金額

b) 損害保険会社の締結した保険契約に係るa)の金額に準ずる金額

・ 控除対象受取利子等合計額とは、受取利子等の額の合計額を支払利子等の額の合計額のうちに対象支払利子等の額の合計額の占める割合で按分した金額をいう。なお、国内関連者から受ける利子等については、各国内関連者が非国内関連者から受けた受取利子等の額とのいずれか少ない金額とされる。

・ 対象支払利子等の額及び控除対象受取利子等合計額からは、貸付けと借入れの紐付き関係にあるレポ取引に係る利子は除外される。

(B)調整所得金額

繰越欠損金の損金算入等の一定の規定を適用せず、かつ、寄附金の全額を損金の額に算入して計算した場合の所得金額に、対象純支払利子等の額、損金の額に算入された減価償却費及び貸倒損失の額等を加算した金額をいう。

2. 適用除外基準

以下のいずれかの基準を満たす場合には、過大支払利子税制は適用されない。

1) その事業年度の対象純支払利子等の額が2,000万円以下である場合

2) 国内企業グループの「対象純支払利子等の額」の合計額から「対象純受取利子等の額」の合計額を控除した残額が国内企業グループの「調整所得金額」の合計額から「調整損失金額」の合計額を控除した残額の20%以下である場合

国外企業グループとは、適用除外基準の判定対象とされる内国法人及びその内国法人との間に特定資本関係(発行済株式等の50%超を直接又は間接に保有する関係)のある他の内国法人(その事業年度開始の日及び終了の日がそれぞれその開始の日を含むその内国法人の事業年度開始の日及び終了の日であるものに限る。)をいう。

なお、この適用除外の適用を受けるためには、確定申告書等に一定の書面及び計算に関する明細書を添付し、かつ、計算に関する書類を保存する必要がある。

3. 超過利子額の損金算入

過大支払利子税制の適用により損金不算入とされた超過利子額は、7年間繰り越され、調整所得金額の20%から対象純支払利子等の額を控除した残額を限度として、損金の額に算入される。

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