監査役監査は、取締役の職務の執行を監査することを目的としています。監査役監査は、取締役が不正な行為をするおそれがある場合や、法令や定款等のコンプライアンスを軽視した経営を行う恐れがある場合、取締役に対して必要な助言や勧告を行い、事態を未然に防ぐ役割を果たすことから、一般に適法性監査と呼ばれます。
監査役監査が義務付けられている会社は下記のとおりです(会社法327条2・3項)。
取締役の職務の執行の監査を業務監査といい、監査役は下記のような職務を行います(監査役監査基準18条2項)。
監査役は、事業年度を通じて、取締役の職務の遂行を監視し検証することにより、会社の事業報告及びその附属明細書が、法令又は定款に従い、会社の状況を正しく示しているかについて監査を実施し、その結果を監査役監査報告に記載します。
監査役監査には、業務監査のほか、会計監査が含まれます。監査役設置会社(会計監査人設置会社を除く)においては、計算書類とその附属明細書、並びに臨時計算書類について、監査役監査を受けることが求められています(会社法436条1項、441条2項)。
会計監査人設置会社においては、計算書類とその附属明細書、(該当あれば)連結計算書類、並びに臨時計算書類は、会計監査人及び監査役の監査を受けなければなりません(会社法436条2項、442条2項、444条4項)。
会計監査人設置会社における監査役の役割は、会計処理が適切に行われているかどうかを監査することよりも、以下のように会計監査人の職務遂行の適切性の検証に重点が置かれています(監査役監査基準27条1・2項)。
上記のように、監査役監査は、取締役の職務の執行を監査することによって、取締役が関与している重大な企業不祥事を防止することが期待されています。また、公認会計士又は監査法人が行う会計監査人監査と監査役監査の相互の連携により、社会的信頼に応える良質なコーポレート・ガバナンスの確立及び充実を図る責務を負っています。
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