サマリー

2021年7月29日、香港税務局(以下、IRD)は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)拡大に起因する税務論点を検討するためのガイダンスを発行した。 このガイダンスでは、企業や個人の税務上の居住地、恒久的施設(PE)、越境労働者の給与所得及び移転価格税制に関するIRDの一般的な見解が示されている。

IRDは、租税条約が適用される際、納税者にある程度の確実性を提供するために、経済協力開発機構(以下、OECD)の見解を概ね採用しているが、香港域内税法が適用される際には、IRDはCOVID-19拡大に起因する税務論点に対応するための免除や解釈の緩和を認めていない。 香港の域内課税制度を考えると、域内課税の概念は基本的に納税者に利益の発生場所を決定することを求め、香港域外を源泉とする利益は香港では課税されない。 したがって、香港域外での利益を主張する納税者は、パンデミック中に従業員が香港で活動を行った結果もたらされた利益が、香港を源泉とする利益であるとみなされる可能性がある。 同様に、個人が物理的に香港に滞在することで、たとえ国境閉鎖や渡航制限が原因であっても、香港で課税対象となる可能性がある。 納税者は、自身の税務ポジションを慎重に検討するために、税務アドバイザーに相談すべきである。...